「……何1人でブツブツ唱えてんのよ。
そもそも、綾乃が一緒に来てっつーから来てあげたのに」



うぅ。
その通りなんだけど。

唱えてるって何よ、唱えてるって!

ちょっと独り言が出ただけじゃん。

確かに付き添って貰ってんだけどさ。

千恵にとっても良い条件だと思うんだけど。



「この文化祭、隣の大学と合同らしいよ」



顔色一つ変えず、だから何? そんな顔をする。

あれ? 食いついてこない?



「知ってるよ、大学生でしょ?
学生は学生じゃない。面白くもない」



あれ~?
千恵なら、すっごい乗り気になると思ったのに。



「そか、学生には興味ないのか。
大手に就職出来る率高い大学っても学生は学……」

「大手~~~?」



さっきまでの表情とは違い、
一気に目を輝かせ食らい着いてくる。



「それ本当!?」



両肩を揺らされ、
圧倒されたあたしは
うんうん。と頷いた。



「敦のボケ、ちゃんと言いなさいよねぇ?」



さっき、学生は学生って言ってなかった?

大手って言葉が重要だったわけか。


クスクス笑うあたしに



「って、何でもっと早く言ってくんないのー!
綾乃なんかに時間かけてる場合じゃないじゃん!」



と、まぁ。
酷い言い草だね。