「よーし! もう飲むぞ!」
赤くなった顔を
お酒のせいにしようとして言った言葉に、仁がプハッと噴出した。
「いやいや。綾さんが飲むのは、毎回やん」
ま、そうなんだけど仁が居ると楽しいんだもーん♪
ビールを注文して飲み続けるあたしに、
「綾さん、もー禁止!」
すっごく気分のいいところで
取り上げられてしまったビール。
「えぇー! 仁の意地悪ー」
なんて拗ねたあたしの手には、
仁の飲んでいた烏龍茶が渡された。
その笑顔が、
可愛くて拗ねてたのも忘れちゃうんだけどね。
仁の笑顔を見て赤くなったのか。
酔ったせいなのか。
しかもコレって間接キスじゃん!
なんて年甲斐にもない事を思ってしまって。
ただの烏龍茶なのに。
アルコールなんて1パーセントも入ってないのに。
口をつけた瞬間、
さっきまで飲んでいたビールよりもカーッと熱くなってしまった。