「え?」


私の何かが、音をたてて崩れた。

そんな特別いらない



先生は笑って

“生徒に言うのは安藤が1番だからな~他の奴にまだ言うなよ”


「え…あ、はい。」


「おいおい、俺の幸せ祝ってくれよ 笑」


そんなん、祝ってあげられないよ。

ずっと好きだったんだもん



「先生お、おめでとう~」


上手く笑えたかな?



「ありがとうな」



「うん!ちなみに相手はレイナの知ってる人?」


怖かったけど、気になった



「安藤も知ってるよ」


…ズキン、ズキン…


「誰~?」




“松浦先生だよ”


あぁ…一時期“古谷先生と松浦先生が付き合ってる”って噂、本当だったんだ。



「そうなんだ…松浦先生可愛いし優しいもんね…」


声が少し震えた。



「安藤?」


逃げ出したい
先生の顔見たくない



「…レイナだって…」



「どうした?」



「レイナだって先生のこと」

“…好きだよ。”


「安藤…」


あーあ先生困ってる



「あのな、安藤…」


「いやっ!…聞きたくない!」


“…俺達、先生と生徒だろ?だから、その気持ち忘れなさい”


「…っく、先生最低。」



「安藤!!」



…ガラガラッ、ピシャッ!…


走った。
ずっとずっと走った。



先生への気持ちを
自分から振り払うように



「はぁ…っはぁ…」


“先生大好きだったよ…”