「頂上です!!!」
ご親切に観覧車からアナウンスが流れた。

その時………
『んっ…』
蓮斗の柔らかい唇は、あたしの唇に重なった。

唇を離してから蓮斗は、あたしを強く抱き締めて、少し苦しそうに…話し始めた。

「唯…このままでいいから聞いてほしいんだ」
『………うん』
「俺もう…無理だから」
『………』
「唯を今日…帰したくない」
『えっ…』
「唯が、決めていいから」
『…………』
「まだ、無理なら…観覧車が終わったら、走って帰ってくれ」
『…………』
「…いいな?」
『…………うん』

珍しく弱々しかった蓮斗の声。

そして、観覧車が下に着いた時…。