「まぁまぁ…落ち着いて♪」
篠沢享矢が軽く笑う。

……いやいやいやいや。
落ち着いて?
落ち着けるわけねーだろっ!!

そんな感じの顔で蓮斗のおでこに、怒りマークがつくのがわかる。
「…2人には、ちょっとした試練をしてもらおうかな♪1年前の事件の仕返しもしたいからね」
1年前……?
「くっ……」
蓮斗の顔が歪む。

『ねぇ蓮斗、1年前って…、』
「…唯。後で説明するから」
『え…あ、うん』

あたしが答えてからすぐに、篠沢享也は、まだ言ってなかったんだ、と言った。