クラスの伴奏者は 彼女だ。 指揮者は もう一人の生徒。 男子である。 彼女に機嫌を損ねられては たまったものではないと それは例外なく クラス全員が 理解っていることだった。 「栫も勝つ気なら集中して。 いいね?」