それから夏休みも終わりに近づいてきた頃。



今日はユリの家に泊まりに来ていた。



「で、最近どうなの?」

「どうって、何もないよ…」



ユリに郁とのことを聞かれた。



「本当に?」

「うん」



本当にあれから何もない。



ベランダで会うことはあってもそれだけで。



特に何も進展はないし、変わったこともない。



だけどいろいろ不安にはなる。



「ねぇユリ」

「ん?」

「郁って彼女とかいないよね?」



前はいないって言ってたけど…。



郁、モテてるしいてもおかしくない。