「紗枝、もう起きなさい」
「ん〜」
お母さんが部屋に入ってきたから頭まで布団をかぶった。
朝かぁ〜…。
「今日は絵里さんとショッピングに行って夜ご飯も食べてくるからね」
ってことは夜までいないのか…。
「行ってらっしゃ〜い…」
「今日の昼ご飯と夜ご飯、郁くんちにも作りに行ってあげるのよ?」
「わかった〜…」
って…。
えぇっ!?
「ちょっと!なんで作りに行かなきゃ行けないの」
寝ぼけてした返事に今さら気づいて大声を上げる。
「なんでって、ご飯食べないと郁くん死んじゃうじゃないっ」
当たり前のような顔でいうお母さん。
いやいやいや、そういうことじゃなくて。
「あたしが行かなくても郁は自分で作って食べるよ」
「そんなこと言っても絵里さんと決めちゃったのよ。もう郁くんに絵里さんもそう言ったみたいだから」
そういい残して颯爽といなくなったお母さん。
また言い逃げ…。
今日はあたしにも話させてくれたけど…。
まあ、いっか。
なんだかんだ言って郁と2人になれるんだしね!