そんなことを話していたら…。
トントン。
ドアをノックすると共に聞こえた声。
「紗枝、郁くん起きてる?お母さんたち、ショッピングに行ってくるわね!」
「うん」
「今日は別行動よ。あなたたちは2人でどこか行ってね〜」
えぇぇっ!?
急いで扉を開けたけど、もうお母さんの姿はなかった。
また言い逃げっ!!
「母さんたち好き放題しすぎだな…」
ボソッと呟いた郁。
そのとき、携帯が鳴った。
「あ、母さんからメール」
「なんて?」
見せられた携帯に書いてあった内容は、
【ちゃんと2人で行動してね。お母さんたち、見てるかも】
「…なんか、怖いんだけど」
どこまででもお母さんが怖いあたしたち。
ハハ、情けない…。