チラッと隣を見ると、昨日まであったしきりがなくなっている。



あれ?外したのかな…。



そんなことを思っていると、窓が開く音がした。



ガラッ



「「あ…」」



2人の声が重なった。



「郁、どうしたの?」

「なんとなく出てみた。紗枝は?」

「あたしはね、星を見に来たの。ここから見る星ってすごくきれいなんだ〜」

「じゃあ、よく来るん?」

「そうだね。ひとりになりたいときとか何も考えたくないときに来ると、なんだか落ち着くから」

「あっ、俺もしかして邪魔?」

「へ?そんなことないよ?なんでだろ、郁は大丈夫みたい」



お母さんが来たりすると落ち着かなくなるのに、どうしてだろう。