京哉先輩と壁に挟まれたあたしは、逃げることができなくなった。



そして、手で口をふさがれた。



「俺さぁ、もう高校決まってるんだよね。スポーツ推薦だから。……意味わかる?」



あたしはコクコクと何度も頷いた。



きっと、言うなってことだ。



「ホントに?今そう言ってても、俺が離したら言うかもしんねぇな」



あたしは首を何度も横に振った。



すごく怖かった。



あの優しい先輩が、こんな目をするなんて。