「そういえばシェリー、最初紗枝がボブを好きだって勘違いしててさ」 郁のことばにあたしは目を丸くする。 「勘違い?なんで?」 「前ボブに、日本に来たら紹介したい女がいるって言ったんだ。そしたらシェリーが勝手に勘違いしたわけ」 「俺の女じゃなくて、ボブのことが好きだから紹介するのかと思ってたって」 あぁ、だからあのとき。 クスッて勝ち誇ったような笑いをしたんだ。 そういうことだったんだ。