どうして? 嫌だったわけじゃないの。 あのことを思い出したら、怖くなった。 あの人は郁じゃないのに…。 あたし最低だ。 これじゃあまるで郁が悪いみたいじゃん。 「今日はやっぱり帰って」 郁がそう言うのも無理ないよね。 「…うん」 そう言ってあたしは郁の部屋から出た。