あの、水嶋が私に謝っている。



なんだか、笑えた。



そして、私のひどくはれた頬を撫でながら、私の唇にキスをした。



ほんの一瞬。


たった数秒の出来事。



そして、水嶋は濡れたハンカチで私の傷を冷やしはじめた。



染みる。
痛い。



だけど、うれしくて頬がほころぶ。



そして、水嶋は立ち上がり、



「じゃあな、結衣」



と言って消えていった。