8月12日 天気 晴れ


土門より


突然裕美との別れを迎えて、正直気持ちの整理のつかなかった。


今日ケンジの提案で、半島の先にある町で開催される、あの花火大会に行くことが決まったよ。


それで裕美が喜んでくれるなら、ケンジが元気を出してくれるなら、俺は喜んで運転手役になる。



絶対に裕美を孤独にしたりはしない。


ケンジはもちろん、俺たちだってついてるんだから。




尾上より


言葉にならない。


ぶっきらぼうな俺にとって、裕美が傍にいることは、体中に潤滑油がさされることと同じことだった。


こうしてノートを通してだけど、会話が出来ることに感謝している。



やはり、五人じゃあ、何かが足りない。





香澄より


尾上君たら、あいかわらず硬い文章を書くよね、笑っちゃう。


かっこつけているけれど、一番うろたえているよ。


私には分かる。



でも、私だってみんなの前では平気なふりをしているけど、やっぱり辛いよ。



同級生だけれども私の妹みたいだった裕美と奈央。


そのうちの一人の心がまもなく消えようとして、寂しさに震えているんだもの。



頑張って。


私も頑張るから。