「その花火大会を調べたんだ。今年は八月十四日だそうだ。」


「裕美が逝く、前日か…。」


そう言って尾上は考えこんだ。



その顔を横目に、土門が言った。


「じゃあ、俺が車を出そう。何時集合がいいかな。」


「そうだな。六時開始だから、三時頃に駅前に集合すればいいだろ。」


「分かった。」


ケンジの答えに、土門はそう応じた。


車で約一時間弱、余裕を見たら妥当な線であろう、そう土門は思った。



その時、黒の制服できめた男性店員が、ココットを運んできた。



土門はそれを手にとってフォークで口に運ぶと、明るく声を張って言った。


「さあ、料理を味わいながら楽しい話でもしようか。俺たちがしけた顔をしてたら、裕美だって嫌だろうよ。」



そんな土門の言葉に、全員が大きく頷いた。