夕方になって、頭の中が真っ白になっていたあたしは

人がたくさんいる商店街をぶらついていた。


龍哉が悪いわけじゃない。

悪いのは、あの女。


だけど・・・・

そう思うとやっぱり苦しい。


「はぁ・・・・。」


ため息をついた瞬間、誰かにぶつかってしまった。


「ごめんなさい!」


いつの間にか、あたしの目には涙が溜まっていた。

無意識に出てしまっていたのだ。


「大丈夫・・・・って泣いてるやん!」


「ごめんなさい!」


「もしかして、そんなに痛かった?」


「いや、そうじゃ・・・「ほな、河原行こう!」


あたしはその人に手を引っ張られていった。


顔は真正面から見てないけど、なんかかっこいいって思った。

前向きに生きている匂いがした。