「あっちの総長、凛は分かってるの?」


「まぁね。その総長がなんかあんま雰囲気持ってないっていうか、総長っぽくない顔してたから覚えてる。」


「へぇ~、さっきいた?」


「いや、いなかった。」


あいつの顔を見たら、


あたしはあたしじゃなくなる。


それが一番怖かった。



もし、あたしじゃなくなったとき

奈美や健、龍哉はあたしの傍から離れていくんじゃないかって。


前まではこんな気持ちなかったのに。


こんな気持ちを知ってしまったせいで辛い。