『逃れることはできなくとも、対処法は知っている。』

「何!?」

『燃えろ!!』


ボウッ、

鬼が火を吹いた。


槍が灰になった。

『あの方から貴様らの情報は聞いているぞ?

如月翡翠。

そして、ベラトーラよ。』


「な!?」

翡翠が驚く。

「なぁ、あの方って誰なんだ?」

『答えるつもりも無ければ、貴様らが聞くこともできない。

なぜなら…』


「カエラム・アンブロ《空の歩行者》

アウラ・ハスタ《風の槍》」


ドシュッ、


鬼が後ろから幸大の槍で貫かれた。

「なぜなら…ここでお前らは死ぬからだよ、鬼ども。」


『まずい!!

一人でも欠ければ陣形が崩れる!!』


『ここは退くべきだ!』

鬼たちが去ろうとする。


「させるか。

背中から火を吹くことはできないだろ?」


ビュッ、


ドシュッ、

鬼の一人に翡翠の槍が刺さる。

『ぐぁぁぁぁぁぁぁ』

ジュゥゥゥゥゥ、

鬼は煙を出し、跡形もなく消えた。

『くっ、背中を見せずに後ろに下がりつつの後退を…』


「どっちみち仕留めるがな。

サギタ《矢》」

幸大が弓を取り出した。


「リブロ・プロセラ《疾風の如く狙いを定める。》」


半透明の矢が現れた。

「ハッ!」

ヒュッ、ヒュッ、


二発放たれた。

ドドッ、

『な!?』

高速で二匹の鬼に刺さる。


ヴンッ、ヴンッ、

矢の当たった箇所を中心に魔方陣が現れた。