「そうじゃない。

下がってろ。

委員長もな。」

「え?」

「圭、彼の言うことを聞きなさい。

女性を守るのは私じゃなくて、ナイトの仕事よ?」

「まさか…」

委員長が言う。

「二人とも、早く離れろ。」

「わ、わかりましたの。」

「そうか…、姫は実際は初めてなのか。」

「何がですの?」

「鬼だ。」



ザッ、

現れたのは大柄な鬼。

「あれが、鬼ですの?」

「ああ。

普通の奴に比べたら頑丈そうだがな…」


『何だ?

小僧、ヤル気か?

人間が俺に勝てると思うな。』


「やってみなくちゃ、わからんだろ?


オブヴィウス《迎え撃つ》」


「こ、幸大の服が変わりましたの!!」

姫が驚く。

『ん?

まさか…貴様があの方の言っていた魔法使いか?』

「あの方?

誰だ?」

『さぁな?

貴様には言わない。

それに知っているのは名前だけだ。

会ったこともない。』

「そうか。

俺には関係ないけどな。


グラディウス《剣》


ハァッ!」

ガキンッ、

『効かんなぁ…

雑魚が!!』

バゴンッ、

吹き飛ばされ、民家の塀を壊す。

「いてぇじゃねぇか!」

『ただの人間なら死ぬはずだが…』


「普通の剣が効かねぇなら…


イグニス・グラディウス《炎の剣》」

ゴウッ、

剣が炎に包まれた。


「オラァッ!」

ガキンッ、

『効かんぞ?』

「そうかな?」

ジュゥゥゥゥッ……


『グアッ!?

貴様!』


ガキンッ、


鬼は剣を弾いた。