姫は幸大の前で正座をする。

そして…

「不束者ですが、よろしくお願いしますの。」

姫が三指をついて深々と頭を下げた。

「はい!?」

幸大が驚く。


一同が小さなテーブルを囲み、座る。

テーブルにはコーヒーが乗っている。

「で、姫…さっきのことだが…」

「直談判してますの。」

「はい!?」

「私は残念ながら住む場所は見つけられませんでしたの。

ですが、これ以上幸大と離れるなんて耐えられませんの!

ですから、今日から幸大のお部屋にお世話になりますの。」

「正気か?」

「そうよ、可鈴!

あんた、何を…」

「まさか、ダーリンの寝込みを襲うつもりですか!?」


「あのさ…お前らはすこし静かにしてくんないかな…


姫、その…俺だって男だし、あまり良くないと思うんだが…」


「私は幸大に襲われるのは大歓迎ですの!!

むしろ押し倒したいですの!!」


「ああ、そうかい…


でも…ほら、親とかが…なぁ?

姫は一応、皇子財閥の御令嬢だし…」

「御父様、御母様の許可は下りてますの。

むしろ、帰省した時のお土産はぜひとも孫を…と申してましたの。」

「そうだった、姫の両親は親バカじゃなくてバカ親だった…」