「お前らに頼みがある。」

「何ですの?」

「樹の枝を抜いてくれ。


できれば三本同時に。


抜いた瞬間に回復魔法を使う。」

「わかったわ。

奈々、あなたは抜く時の合図を。

圭、可鈴。

抜くときは一気に抜かないと幸大が苦しむわ。」

テナが言う。


「わかった。

幸大、いい?」

圭が言う。

「ああ。」

「行きますの!

奈々さん、合図を。」

可鈴が言う。

「ダーリン…行きますよ?

皆さん、1、2の3ですよ?」


三人が頷く。


「1、2の3!」

ズルッ、

ブシュッ、

血が吹き出す。


「デヴォヴィオ・メデリ《回復の魔法》」


ゴウッ、

出血が止まる。


「治ったの?」

圭が言う。

「いや、まだだ。

回復には時間がかかる。」




ガキィンッ、

「幸大!

こっちはそんなに持たんぞ!!」


バラッ、


「くっ…

酒呑童子に槍を掴まれればただの札に戻ってしまう。」


翡翠が苦戦する。


「私に悪魔の力がまだあれば…」

テナが言う。

「私たちも戦えたら…」

圭が言う。



「戦う力なら…」

幸大が言う。


「え?」


「聖霊たちに願え…


あいつらに届く言葉は魂の入った言葉だ。」

幸大が苦しそうに言う。