「酒呑童子!


俺たちの勝ちだ!」


『追い詰められて気でも狂ったか?』

「勝因は二つ!!


1つは俺の方が一枚上手だから。」


ザザッ、

妖気の塊が揺らぐ。


『何!?』


「そして、勝因の大部分を占めるのは…

お前たちのお陰だ。」

幸大が圭たちを見る。


「え?」

圭が驚く。

「ハァッ!」


ドウッ、


ざぁぁぁぁぁっ。

妖気の塊が消えた。


『何をした!!』

「簡単だ。

聖霊たちの立ち位置。」

『何?』

「地面には気脈という力の通り道があり、力を噴出する場所も当然ある。


そこを聖霊たちを配置しておく。


そうすれば力を噴出する場所が減り、その分一ヶ所で噴出する量が増える。


もともとは大量の鬼たちと戦う翡翠の力を高めるために聖霊たちを配置したが…


俺の役に立った。


まぁ、噴出される力を十分に溜めるのに時間がけっこうかかったけどな。」


『小癪なマネを。


だが…貴様は手負い。

他の奴等を殺すのも容易い。』



「翡翠、時間を稼げるか?」


「何をする気だ?」


「傷を回復させる。

最低限、動けるくらいにな…」


「…わかった。」

槍を構える。