そんな事を考えていると、・


人の流れに逆らって
向こうから誰かがこちらに歩いて来た。


間違えなく
――それはレンだった。



「こんにちは」




ごく普通の挨拶



「こんにちは」



同じ言葉を交わす。



私の横には涼がいる…



それに時間もない。





レンは一瞬こちらを見て微笑んだ。




そしてすぐに




みんなの待つ祭りの輪に戻って行った…



それはほんの数秒の出来事だった……