「では母方がいらっしゃるまで
お話を…」

もちろん。
と営業スマイルを光らせて
2人はあたしたちを残して歩いていった。


早くもパーティー会場には
多数の資産家たちが来ていて
既にくつろいでいる。

と、視線を向けた先に人だかりがあることに気付いた。


「今日うち以外にどこか有名なとこでも来てるの?」

そっと優兄に耳打ちすると
少し眉をしかめた。

「相田だよ」
一言言われた言葉に驚く。

最近になって急激に成長を遂げ
名をあげた相田家。
あたしたち望月家と肩を並べた状態にある。


最悪だ。
去年まで来てなかったのに…。


「北斗兄、喧嘩とかしないといーけど…」
猫かぶりな上にヤバイくらい短気な自分の兄が心配になる。


話ながら隅にある椅子に腰を下ろした。


テーブルに並べられたジュースを
手にする。


「優兄…---「望月優西くんじゃぁないかな?」