思考回路を働かせつつも
時間をかけて巻き、上げた髪を
もう1度チェックして
あたしはハイヒールを穿きなおした。


ヒールの音を響かせて
兄たちがいる大広間へ走る。


「おせーな。ったく」
長男・望月北斗。
あたしも認めるイケメンだけど
かなーりの猫かぶりなヤツ。
証拠に、口がとてつもなく、
悪い。

「うるさいなぁ。
 女の子はいろいろと時間がかかんのっ」
腹立たしく言い返す。

「ま、行こうか♪
 香奈、手」
と、ナチュラルにあたしに
手を伸ばす男・次男優西

優しくて本当にいい男なんだけど
極度のシスコン。
あたしに対して
かなーり過保護。

超迷惑だけど、憎めないんだよね。これが。