家に帰っても、お風呂に入っても
ベッドに横になっても

ずっとずっと、岸田先生の事が頭から離れなかった。

何度も携帯の画面を見つめる。

メールや電話をしたい衝動にかられるけど、もうしないって決めたんだ…

岸田先生は

ずっと前に
好きだった人。

付き合ってはくれなかったけど

メアドと携帯の番号だけは教えてくれたの。


今も変えてないと思う。きっと連絡は取れるだろう。

でも…連絡しないって決めたんだから。

あの恋は終わったんだから。



でも大丈夫かな…
悲しんでるだろうな…


あたしが辛かった時に支えてくれた幸哉先生。



好きだったよ…







『ガマンして自分の中に溜めちゃダメだって。オレに話せば少しはスッキリするだろ?』

悩んでる事とか、友達にも言ったことなかったし、普段から気づかれないようにしてたのに

ある日、先生にそう言われて…あたしは反発した。

『言ったって何にも解決しないもん。それに先生には関係ないでしょ?』

『そんなの分かんねーぜ?案外話すだけでも気分が軽くなるし』

『…信用できない。それに、友達でもないのに悩みとか言う気がないの。ほっといてよ』