将来住みたい家の間取りとか

掃除の当番とか

そのうち子供ができたら子育てして

もちろん知哉にも子育てしてもらって

子供の名前とか
飼いたい犬の名前とか

二人で旅行してみたい場所とか

夢みたいな幸せな未来を想像して、たくさん語り合った。

知哉はちょっと嘘つきだけど、時間が遅くなっても努力はしてくれる。

そういうトコ
好きだよ。

嬉しくて。幸せ。

あたし達はその夜、何度も抱き合い、何度もキスをした。










永遠に続く幸せな家庭


知哉となら、作り上げられる。

知哉となら、努力できる。

その価値がある。
あたしの人生を知哉に託したい。

そう思っていた。




お互いの両親にも挨拶を済ませ、そろそろ式の日取りを決めようかって話していた頃──





知哉が住んでいたアパートが火事で全焼した。



何度携帯にかけても通じる事はなく───


焼け跡から知哉の焼死体が見つかったと

知哉のお兄ちゃんから連絡が入ったのは翌日の事だった。





──絶対に嘘だ…

知哉が死ぬわけない。

あたしは『嘘』を願いながら大学病院に向かった。