「申し訳なさそうに言うけど、いっつも同じじゃん!ホントに悪いと思ってんの?」

さすがに頭にきていたあたしは知哉に噛みついた。

『いや、だってさぁ』

「'だってさ'とか言わないの!あたし知哉からの電話待ってたんだからね!」

約束をちっとも守らない知哉。いつもそうなんだ。

でもね、あたしはいつも信じてるんだ。

今回の約束だけは守ってくれるだろうって…

けど
いつも守ってもらえなくて、ガッカリするってよりは…最近は失望の方が大きいかも。

『ゴメン…今度は頑張るから』

「頑張るとかって話しじゃないでしょっ!!」

『うん…そうだな……里佳?』

「何よ!?」

『そろそろ仕事行くんじゃねーの?』

言われて、ハッとして時計を見た。

「キャー!!遅刻しちゃうじゃないのっ!知哉のバカっ」

『ゴメンって。今夜、会おうよ。七時に迎えに行くから』

「期待しないで待ってるわね!」

そう言って慌てて電話を切って、家を飛び出した。

今夜は遅刻しないで来るのかな?
ううん…多分遅れてくるだろうな。

そう思いながらも、やっぱり期待しちゃうあたし。

学習能力ないなぁ…っていつも思うんだ。