「友華、ただいま~っ!ギュウ~っ!!」

そう言ってオレは娘を抱きあげた。

親バカなオレは娘が可愛くてしかたない。

今日はこの子に助けられた…
流されなくてよかったと思えるのは友華が居てくれるからだ。

少し遅れて、真奈美の声がした。

「おかえり。遅かったね」

「うん…ちょっと仕事見てくれって言われちゃってさ」

「じゃ仕方ないよね。先にお風呂入る?」

「うん友華と入るよ」

「ありがと。助かるわ」

そう言うと真奈美は台所へと戻った。
まだ少し夕飯が出てくるのに時間がかかりそうだ。

風呂に入りながら、またさっきの事を考えていた。

もし小松さんと不倫へと発展してたら…友華にはとんでもなく申し訳ないと思うだろうけど

真奈美を見ても、あんまり罪悪感はないだろう。

オレが思い留まったのは友華を思い出したからだ。
真奈美じゃないって思うと…彼女への愛情ってまだあるのかどうかわからなくなる。



迷いがあるのは
真奈美に男がいるせいだ。


彼女は上手く隠しているが、オレは気づいていた。

セフレか…
最悪、不倫してる。

性欲の強い真奈美が、前ほどはしたがらないのがいい証拠だった。