出会った頃の彼女の笑顔

私が好きで、彼女に惹かれた理由でもあった。

そして子供達…

『妙』をやがて『母さん』と呼ぶようになり

家族の『母』にしてしまって済まなかった。

キミがいつだって恋をしたがっていたのも知っていたし

だから恋する相手は私じゃなく、他の男に求めていたって事も知っていた───

何をどうすれば、キミが私の『妙』に戻るのかわからなくて
逃げてばかりだったね


ただ一つの方法は
「愛する事」だと気づいた時は…すでに年をとっていて

萎えたこの身体ではキミを抱く事も愛する事もできなかった…


恋する事を忘れていた

繋ぎ止めてすまない

苦労させてすまない

愛してる…そう言えなくて

本当にすまなかった…


後悔や苛立ちはあるけれど
キミを妻に選んで

私は良かったと思うよ


キミはあの男と来世で結ばれればいい…

だけど今生で、私の妻でいて欲しいと願っていたのは

やはり私のワガママだったんだろうね?




もう触れられない。
手を繋ぐ事も、キミは許さない…

きっと私を恨んでるだろうね。

構わないよ

それでもキミを
手放したくなかったんだ────