ところが、あたしの手はわずかに小鳥まで届かなかった。

あれだけ自由に走れたあたしも、さすがに飛ぶ事まではできないみたい。

どんなに祈っても念じても、飛び方を知らない体は小屋の中をまっ逆さまに落ちていく。


ああ――あたし、このままじゃ死んじゃうのかな。

夢の中で転落死ってどうよ?

いや、それって死ぬの?


ってかいつまで落ちるの?

この小屋、地下のどこまで伸びてるわけ?

バクはどのへんにいる?

一番下には本当に『なにか』あるの?



わからない、わからない、わからない――



そして視界がじわりと白くぼやけて溶けて、あたしの意識は途絶えた。