途中でバクが夢から醒めたらどうしよう……と思ったけれど、それは杞憂で済んだ。

バクと、お姉さんと、あたしは、小屋の前にたどり着く。


「この小屋……入る場所が、ないよ」


「そうね。だったら作りましょう?」


お姉さんは不敵に笑って、小屋の外壁に触った。

極彩色の丸太に、お姉さんの白い手が映える。


それに倣ってバクが恐る恐る丸太に触れた。

すると、音もなく丸太が切れてゆき、がらがらと崩れ去り、そして……人が通れるだけの四角い穴があく。


「開いたわね。ああ、この小屋は地下に伸びているみたい」


お姉さんが先頭で小屋に入り、それにバクが続いた。最後にあたし。


あたしの夢の塔とは逆で、地下に向かってどこまでも伸びる螺旋階段。

下を見ると落ちそうで気が遠くなる。

だけども、光がどこから入っているのかわからないのに明るいってことと、内側まで極彩色だってところは、あたしの塔とおんなじだった。