それからこう続ける。


「二年は俺と、もう一人男子がいるよ。一年生はさっき言ったように二人。奈津と、もう一人俺の幼馴染がいる。ねぎ子が入れば三人になるね」


まともに顔を出すのは、ということは、書類上ではもっといるのだろうか?

しかし顔を出さないメンバーを覚えておいても仕方ない気がするので気にしないでおくことにした。

思ったより人数が少ない……が、既に会った三人が相当濃いので残りの人も非常に気になるところである。


「もう一つ質問していいですか?」


「うん。なに?」


「結局私はねぎ子なんですか?」


「いいアイデアある?」


「いやありませんけど」


「奈津は?」


「……ない」


やはりねぎ子らしい。




「いやーでもまだ仮段階だからね。もっといいのが浮かべばそっちにするよ」


「悪化だけは避けて欲しいです」


「ねぎ子の価値観が分からないよ……」


「私には先輩の価値観が分かりません」


なんだかんだで、ジン先輩とも思ったよりは話が弾んだ。

部活についての話から徐々に逸れていき、最終的にはガッツ石松の話になったりポケモンの話になったりしたが。


奈津さんはほとんど喋らずにいた。

しかしうんうんと頷いたり、話を振られた時には回答したりしていたので、奈津さんなりには会話を楽しんでいた……と、思いたい。


そんなこんなで辺りも暗くなってしまったので、そろそろ帰ることに。


「結構遅くまで喋っちゃいましたね。私、そろそろ帰ります。今日はいろいろありがとうございました」


「あぁ、じゃあ俺らも帰るよー」


部室に来た時からずっと座っていたジン先輩が立ちあがる。

やはり長身だった。