「一応だけど名前は奈津。苗字は……俺から言ったらジンが拗ねそうだから奈津から聞くといいよ」
「それって伏せる意味あるんですか……?」
「俺は苗字で呼ばれるのが嫌いなの。奈津はいいけどできれば俺の事は苗字で呼ばないでね」
現に今は『ジン』という通称しか教えてもらっていない。
そのへんも妹……奈津、という子がくれば分かるだろうか。
と思っていたところに、噂の渦中の人物がやってきた。
「……こんにちは」
「こんにちは、奈津」
長身(だと思う)ジン先輩とは対照的に、随分細身で小柄な女の子だった。
身長はおそらく150センチ台前半といったところだろう。
やや俯きがちで、長めの前髪で片目が隠れてしまっている。
どこか申し訳なさそうに佇む彼女の姿は、いわゆる『クラスで馴染めなくて孤立しちゃう人』の雰囲気をばりばりに醸し出していた。
失礼かもしれないが、大丈夫なのかこの子。色々と。
「……?」
奈津さんがこちらを見ていた。
思わず立ち上がってしまった私は、そのまま自己紹介をする。
「あ、えっと……私、ここに今仮入部というかなんというか見学に来てる、一年二組の陣野 麻衣。よ、よろしく」
「同じ、クラス……? そっか、よろしくね。わたし……岡野 奈津(おかの なつ)」
さっきまで無表情だった奈津さんは、ふわっと微笑んだ。
……うわ、可愛い……! 兄も美形(だと思う)だけれど妹もこれまた美少女だった。
ほんと勿体ない。この二人マジ勿体ない。
「それって伏せる意味あるんですか……?」
「俺は苗字で呼ばれるのが嫌いなの。奈津はいいけどできれば俺の事は苗字で呼ばないでね」
現に今は『ジン』という通称しか教えてもらっていない。
そのへんも妹……奈津、という子がくれば分かるだろうか。
と思っていたところに、噂の渦中の人物がやってきた。
「……こんにちは」
「こんにちは、奈津」
長身(だと思う)ジン先輩とは対照的に、随分細身で小柄な女の子だった。
身長はおそらく150センチ台前半といったところだろう。
やや俯きがちで、長めの前髪で片目が隠れてしまっている。
どこか申し訳なさそうに佇む彼女の姿は、いわゆる『クラスで馴染めなくて孤立しちゃう人』の雰囲気をばりばりに醸し出していた。
失礼かもしれないが、大丈夫なのかこの子。色々と。
「……?」
奈津さんがこちらを見ていた。
思わず立ち上がってしまった私は、そのまま自己紹介をする。
「あ、えっと……私、ここに今仮入部というかなんというか見学に来てる、一年二組の陣野 麻衣。よ、よろしく」
「同じ、クラス……? そっか、よろしくね。わたし……岡野 奈津(おかの なつ)」
さっきまで無表情だった奈津さんは、ふわっと微笑んだ。
……うわ、可愛い……! 兄も美形(だと思う)だけれど妹もこれまた美少女だった。
ほんと勿体ない。この二人マジ勿体ない。