「帰らねーの?」 立ち止まったままの私に矢野くんが声をかけてきた。 「か、帰るよ」 私が言うと、矢野くんは歩き出した。 すぐに矢野くんの後を追った。 お互い、何も話さずひたすら歩いていた。 「ねぇ」 「なぁ」 「おまえから言えよ」 「矢野くんから言ってよ」 「いや、やっぱいい」 矢野くんはそうゆうと、また歩き出した。 「気になるんだけど」 私は矢野くんの背中に向かって呟いた。