それからしばらく、みんなといろんな話しをしていた。
「やっべー、もう7時だ。そろそろ帰ろうぜ」
恵くんの声でみんな一斉に校門を出た。
ほとんどの部員が反対方向に帰っていった。
「風見、家どっち?」
恵くんが聞いてきた。
「あっち」
右を指差した。
「俺と雄太、左だからさ。翔に送ってもらって。頼んだぞ、翔」
「はいはい」
「いいよ、そんなに遠くないし」
私が言うと、
「だめだめ、時間が時間だし。ちゃんと送ってもらって」
恵くんの言葉に静かに頷くしかなかった。
そして、恵くんと雄太くんは帰っていった。
矢野くんと二人、気まずい雰囲気になった。