そう言われると、矢野くんは黙ってしまった。


「ごめんな。こいつ、あんま喋らないんだよ。人見知りつうか、野球にしか興味ないやつだから」

恵くんは笑いながら、矢野くんの背中を叩いていた。


「いてぇな~、余計なこと言わなくていいんだよ」




二人のやりとりを見ながら、つい笑ってしまった。

それに気づいたのか、二人は不思議そうにこっちを見てきた。


「ごめん、ちょっとおかしくて。ほんとに仲いいんだね」

私が言うと、恵くんは矢野くんの肩に手を回すと力強く頷いた。