"矢野翔"

気づいていなかったが、クラスが同じらしい。



「おい、翔。お前も混ざれよ」

恵くんが言うと、


「いいよ、別に」



「んなこと言うなよ、キャプテンだろ?風見にいろいろ野球部のこと教えてやんねーと」

恵くんが矢野くんを引っ張ってきた。


「別に、俺が教えなくてもいいだろ。誰が教えようと同じじゃねぇか」

矢野くんは、恵くんに怒鳴り散らしていた。


「まぁまぁ、落ち着けって。これから一年、風見には世話になんだよ。キャプテンとして、ちゃんとするべきなんじゃねぇのってこと。お前、まともに風見と話してないだろ?」


恵くんは優しく矢野くんに問いかけていた。