『彼女はその頃読者モデルをやっていて、結構いろんな雑誌に出てたんだ。』


また驚きの新事実。

読者モデル…雑誌…私には想像もできない世界だ。

きっとその彼女、相当綺麗だったんだろうな。



『大学でも注目されてたし、人気も高かった。
彼女も将来的にはプロのモデルを目指してたし、そんな彼女にとって俺はうってつけの存在だった。』

「先生も、プロになるから?」


その先を聞くのが、少し怖かった。



『そう。読者モデルの自分にはプロが注目する大学選抜の恋人がいる。いつかプロのモデルになったときには、プロのサッカー選手になった恋人がいる。』


とても綺麗な物語だ。

プロになる前から、自分が支え続けた恋人。

でも、


「でも、それじゃあ…」

『俺はちょうど良かったんだろうね。』


そんな言い方…。

そんな言い方は悲しすぎるけれど、これが事実なんだろう。



『読者モデルをしていて目立つ彼女は、そこそこ注目されててプロを目指してる俺を彼氏にしておくことで、自分の立場を保ってた。』


切なすぎる先生の告白に、胸が張り裂けそうになる。

なんで…どうして…。

彼女への不信感と怒りが、私の中に沸々と沸き上がる。



『バカな男だって思ってるだろ?』

「そんなこと思いません。」


先生のなげやりな質問にハッキリと答える。