「ま、自信持てばいいんじゃねーの?」
と樹が言った。
「自信?」
「真琴はその水着姿で二人も秒殺しちゃったわけだし」
なんて言う。
「秒殺? 二人……?」
樹は無言で、大淀と自分を指差した。
「……ウソばっか」
ムスッとつぶやくと、彼はわたしの頭をコツンとやった。
それから何か言ってくれそうだったんだけど、それを遮るように、
「じゃっ、そーゆーことで」
と大淀が、シートに座っているわたしの手を取った。
え?
早く行こう、と手をひっぱって立ち上がらせる。
「あ、うん」
わたしが立ち上がってからも、大淀はつないだ手を離さなかった。