「どした、上野?」
わたしの奇声を聞いたのか、大淀が飛んで来てくれた。
真っ赤になって下を向き、三角に固まっているわたしを見て、立ち尽くしている。
「何したんだよ、あんた」
樹に向かって言う。
「え、何もしてねーぞ」と樹。
「じゃあ何言った? なんかイヤらしいこと言ったんだろ?」
「はぁ? 言わねーよ、彼氏だぞ、俺」
呆れ気味の樹を、大淀がグッとにらみつけた。
「何もしないのに、こんなふうになんのかよ?」
「知らねーし」
「じゃあなんかヒドイこと言ったんだ? 胸が小さいとかなんとか、上野が傷つくようなこと」
はっ、大淀もやっぱ思ったんだ……!?