それでもふたりに励まされて、結局水着姿でビーチに向かう。
駐車場に併設された海の家で買い出した軽い朝食をぶら下げて。
「へぇ~、じゃあ塩崎から告ってきたんだぁ?」
道中はもちろん、ミャンマーの話で盛り上がった。
ワゴンの中で『三山のことがずっと好きだった』ってささやかれたらしい。
やるじゃん、シオ。
何だか羨ましいくらい…!
うれし恥ずかしそうなミャンマーが、すごく可愛かったな。
ビーチに戻ると、男子たちはシートの上でくつろいで談笑中だった。
ビーサンを履いたままシートにひざまずき、先におにぎりの袋を大淀に手渡す。
たぶん、視界に入ったと思うんだけど、樹はわたしをチラッと見ただけで、特になんにも言わなかった。
ホラね。ボン、キュッ、ボンじゃないもん……。