「うん。あの……並ばなきゃ買えないやつだよ?」
この際、こっちの疑問もクリアにしよう。
ずっとひっかかっていたことを口にすると、樹がちょっと気まずい顔をした。
「ゴメン。俺が並んだわけじゃないんだ。仕事だったからさ」
知ってる。
「えっと、誰に……頼んだの?」
「ん、後輩。女子高生なら鉄板で喜ぶって、そいつが言うからさ、ちょっぴりおどして買いに行ってもらった」
へへ、と樹は笑った。
…………美里さんじゃないんだ?
やだな、自分。
電話のことも、ネックレスのことも
聞きたかった答えが聞けたのに、
彼の言葉を信じきれない自分がいる。
証拠見せて、なんて言えないし。
こーゆーの、軽くノイローゼって言うんだ。