車を降りて道路を横切り、砂浜へと続く階段をみんなでぞろぞろと下りていく。
樹以外はどの顔もまだ半分眠っている。
暗いのと眠いのとで、砂に足をとられて転ぶやつもいるくらい。
ブルーブラックのインクで染めたような空の色が、だんだんと淡くなり、薄紫からピンクに変化していく。
朝焼け。潮の香り。波の音……。
横のサホリンがひじでチョンチョンつつくから、彼女の目線を追うと、おおっ、ミャンマーと塩崎が手をつないで朝日を眺めていた。
「えっ、そういうこと?」
「だよね!?」
キャー、とサホリンとささやき合い、手を取り合う。
「真琴も早く樹クンと浸っておいで」
サホリンに背中をグッと押されて、小走りで樹のそばまで行った。