うつろな目で隣を見ると、樹がまっすぐ前を向いて運転していた。
ときどき対向車のライトに照らされて浮かび上がる横顔は、キリッとしていてやっぱカッコいい……。
「真琴も寝なよ?」
優しい声が言った。
「やだ、もったいないもん」
「プ、何が?」
「せっかく樹と一緒にいられるのに」
むくれてそう言ったら、ハハ、と樹が笑って
「海で遊べなくなるぞ」
と言った。
いいよ、別に。
樹と並んでお昼寝するもん……。
悲しいかな、そこらへんで記憶が途切れた。
次に目が覚めたのは、海に着いてから。
「日の出見るぞ」ってたたき起こされた。う……。