「これ、お前が作ったの?」
ん?
樹がすげぇと言ったのは、インテリアのことではなくて、飾り棚の隅に置かれた模型の飛行機のことだったみたい。
軽そうな木でできた小ぶりのやつ。
棚の前に中腰になって、樹はそれを眺めていた。
「ああ……」
大淀もそっちへ歩いて行って、並ぶ。
「めずらしい形だけど、自分で設計したのか?」
「中学のとき、その手のキットを作るのにハマっていて、飽きたから自分で作った。でもなかなか飛ばなくてさ」
「へぇー」
「これが一番飛ぶやつ」
いつの間にか中村と塩崎もまじっている。
「おたくっぽいな~、大淀」と中村。
「お前、人知れずこんなの作ってたのかよ」
と塩崎。