電話を切った大淀は、何事もなかったように部屋に戻っていく。
「ご、ごめんね?」
あわててそう言ったけど、大淀は振り向かなかった。
振り向かないまま、背中越しに声だけが残る。
「俺、本気だから」
いったい……
こんなわたしのどこがよくて、大淀はそんなことを言ってくれるのか……???
20分ほどして、樹から電話がかかってきた。
「あ、真琴? 今、すんげーデッカい家の前に着いたんだけど、ここであってる?」
「あってる、あってる!」
サホリンとミャンマーと一緒にドタバタと迎えに出た。
セキュリティを解除しなきゃ門が開かないとかで、大淀もついてくる。