「俺、堅苦しいの嫌いだからさ」

「はい…」

さすが、元アイドル。
顔はイケメンだし、人との関わりは完璧。
って、素人のわたしが言うのもなんだけどさ…

「じゃあ、この間の曲のお金」

そう言って、あたしの前に分厚い封筒を差し出してきた。

「お金?」

「うん。まぁ、お給料ってとこかな?」

お給料か…

中身を見ると、一万円札が札束になって入っていた。

「む、無理です。これは受け取れません」

こんな多額のお金、見たことがなかったから動揺が隠せない。

「だめだよー。仕事は仕事だから」

「だって、あたしは素人ですよ?ただの女子高生ですから」

社長は笑いだした。

「優星の言ってたとおり、本当に素敵な子だね。君は」



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