――――……
「失礼します」
社長室に入ると、やはり右手にCDを持っていた女の人。
「あら〜花恋さん…でしたっけ?ごきげんよう」
不気味な笑みを浮かべて、手を振ってくる。
社長も手に負えないようで、疲れきった顔をしている。
社長は私と目を合わせ、「助けて!」とか「どうにかして!」と目で訴えかけてくる。
私にも、どうすることができない…
「ねー。花恋さん?この、おじさん邪魔じゃない?」
そう言って、その女は社長を指さす。
「社長です。なぜ、私の名前を知ってるの?」
社長は呆れて、部屋を出て行ってしまった。
社長…私とこの女を2人きりにするなんてヒドい…
「えーっとね…、調べたの!結構、お金掛かったんだからさぁー払いなさいよ」
もう、意味不明。
仕草から喋り方まで、いちいちムカつく。
出来ることなら、逃げ出したい。
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